一定期間勤めていたり役職を持つ人であれば、採用面接を担当する方も多いのではないでしょうか。
私の会社の中途採用では、一次面接は現場の社員、二次面接は部長、最終面接は役員(取締役や執行役員)となり、人事が入らないケースも多いです。
そのため「現場の社員の対応コストが高い → 人手が欲しい忙しい部署ほど面接が設定される → 更に忙しくなる」という状況も発生しているくらいです。
個人的には、採用活動ほど憂鬱な業務はありません。
たかだか一時間程度話して、その人のスキルやパーソナリティを理解して採用可否を判断することに、絶対の自信を持っている人がいたらお会いしたいくらいです。
それでも何らかの基準を持って合否を決断しなければなりません。
採用活動には書類選考と面接のフェーズがあります。今日は、普通のIT企業で働く私が普段どのように書類を選考しているかをまとめてみました。
もちろん、企業の規模や歴史、文化によってチェックしているポイントは異なると思いますので、参考程度にお読みいただければと思います。
履歴書と職務経歴書
履歴書の必要性
正直に言って、履歴書はほとんど見ません笑
会社(人事)としては社員の経歴を保管しておくために必要かもしれませんが、現場ではあまり必要ないと感じています。職務経歴書の冒頭に社歴を箇条書きにして書く程度でOKです。
学歴や社歴を見ただけでは、「何を経験してきて」「何が強みか」を判断できないからです。
応募者の中には、履歴書の「趣味」や「応募動機」をみっちり書かれる方がいます。履歴書と職務経歴書に同じ内容が書かれている場合もあります。
これを見ると「あぁ、この人は前職であまり採用を任される立場になかったのだな」と思っちゃいます。
職務経歴書のフォーマット
採用エージェントが用意する職務経歴書のテンプレートを活用される方も多いでしょう。
もちろんNGではないですが、自分をアピールするのであれば独自のフォーマットを作っちゃいましょう。
想像してみてください。毎日大量のラブレターがあなた宛に届き、その中から実際にデートする人を選ばなければならないシチュエーションを。
書類選考も近しい作業だと思います。
毎日同じフォーマットで同じ内容の書類から、面接すべき人を決める。
めちゃくちゃ美形≒特筆すべき経験やスキルをお持ちの方であれば、一般的なフォーマットでも目に留まると思います。
そうでないのであれば、自分の強みを最大限にアピールでき熱量を伝えやすい資料を作りましょう。プレゼンと一緒です。
社内では Keynote で資料を作ってきて社長の前でプレゼンした猛者もいます。
私は google ドキュメントで作ったものを PDF にして利用しています。
職務経歴書で見るべきポイント
誤字脱字の有無と見やすさ
最も当たり前のことですが、最も大切なことでもあります。
「誤字脱字なんて多少はあるでしょ」と思う方もいるかもしれません。
でも考えてみてください。
「自分に会ってください!」とアピールする重要な書類で誤字脱字をするような人は、入社後、他の人よりもだらしなかったりミスをする可能性が高いと思いませんか?
また、文字が切れている、変な箇所で改ページされている、インデントがずれている、といった見づらい書類も避けたいところです。
このような人は客観性がなく、入社後、独りよがりで一緒に働く相手の気持ちを想像できない人なのかもしれない、いう懸念が残ります。
スキルと強み
中途採用ではなく新卒採用になりますが、面接を担当している同僚がこんなことを言っていました。
「最近の学生はさ、みんな何かの全国大会を目指して、NPO法人に入って、留学してるんだよね。みんな同じ顔に見えてくるよ。。」
「経験」それ自体ではなく、「あなた自身がどういう人で、どのような強みを持っているのか」をアピールしてもらいたいですし、知りたいです。
その上で「この人だったら成果を出してもらえるかも」と期待できる人とお話をしてみたいと思うのです。
文化のフィット度
銀行や証券会社といった明文化されていないルールを大切にする会社から、ベンチャー企業に転職する。
印刷や不動産業界といったアナログ文化が色濃く残る会社から、IT企業に転職する。
新卒から大企業に15年間勤め上げた人が、スタートアップ企業に転職する。
その人に根付いた文化を簡単に変えることはできません。
強い自主性を求めとりあえずやってみるのベンチャー企業、電話やメールをほとんど利用せず slack でコミュニケーションするIT企業、PDCA のスピードが早いスタートアップ企業
特に転職が初めての方は、仕事で成果を発揮する前に、文化の違いに悩まされることが多いように思います。
入社後すぐに活躍してもらうためにも「できる限り近しい文化の方」もしくは「変化に耐性をお持ちの方」が望ましいです。
職務経歴書がOKだと思った後に、軽く見るポイント
あくまでも「軽く」見るポイント、それは「メールアドレス」です。
私の会社では Google Workspace(旧称 Google Apps for Business、G Suite) を社内インフラとして使用しています。そのため、 Yahoo メールやプロバイダメールよりは Gmail を使っていてほしいです。
また、メールアドレスが文章になっていたり、異常に長い場合は警戒度が増します。「munemo@gmail.com」なら問題ないですが「munemo.love.my.sweet.honey@gmail.com」みたいな感じのやつです。
書類が微妙で「とりあえず面接しようかな」の人がこのアドレスだったら、判断がNGに変わる可能性が高いです。
最後にチェックするポイント
書類を確認して面接OK!とするその前に、最後にチェックするポイント、それが「SNS」です。
正式採用の前に人事がリファレンスチェックする場合もありますが、無駄な面接をしないためにも google で候補者の名前を検索します。Facebook、Twitter、Instagram などの SNS がヒットしたら一読します。
この時、SNS に職場や人間関係に対するネガティブ発信をしている人はNGとしています。
愚痴を言いたくなる気持ちは分かります。それ自体が悪いことだとも思いません。
しかしながら、実名でそれを世界に発信してしまう感覚とリテラシーのなさを問題視します。
このような人は社外秘の情報を外部に漏らす可能性が高い上に、何か嫌なことがあったときに会社の名前を出して不当にブランドイメージを毀損する恐れがあるからです。
最後に
ぶっちゃけ、スキルと強みがフィットし過ぎているのであれば、多少のことには目を瞑ります。
ただ、もしそうでないのであれば、面接官の気持ちを考えることで異なる世界が見えてくるのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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